milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

庵野さん!もう、エヴァつくらんでいいよ!(褒め言葉)【映画「シン・ゴジラ」について】

「いやー、おったまげた」正直な感想だ。


CMを観たときから、かなり期待していた「シン・ゴジラ
その期待を良い意味で大きく裏切ってくれた。
凄すぎたので、1度目観終わったあと、すぐにチケットを買い、10分後には再び劇場の中にいたくらいだ。


語れるほど多くの映画を観てきたわけではないし、特撮ものにしてもそうだが、今回のシン・ゴジラには、重々しいほどの圧倒的リアリティに溢れかえっていた。
ポスターのキャッチコピー「現実(ニッポン)」対「虚構(ゴジラ)という図式だが、虚構の存在がまさに今、現実のものとなったときに何が起こりうるかを"真"剣に突き詰めているように思えた。


先の大震災と熊本の地震で、日本人の大半は現実世界が、突如理不尽に破壊されることを体感している。
かつてゴジラが作られたときよりも、社会的メッセージは人々のこころに強く訴えかけるのではなかろうか。


「特撮」という、「娯楽映画」の枠を超え「ヒューマンドラマ」として、秀逸な映画だと感服した次第です。


ただ、庵野監督がこれまでやってきた数々の作品があることで、セルフオマージュ的な要素多々が見受けられたり、もともと構図にこだわるようなところ(他の作品からの"オマージュ"なども含む)が、この作品に山椒的な役割を果たしており、肩の力、力みっぱなしで見るという感じではなく、「娯楽作品」としても楽しむことができたのは、庵野監督と同時代を歩んできた役得なのかと思う。


惜しむらくは自分自身が、ゴジラ自体に対して、深い思い入れと考察がないこと。
これがあれば、今回のシン・ゴジラについて、もっといろいろ思うのだろうし、もっと喜びをもって作品と向き合えたかもしれない。


庵野監督、もうエヴァつくらんでいいです。満腹です。


【追記】
もともとCM以外の予備知識ゼロで観たのですが、リアリティに関してはあらかじめ周知されていたことだったのですね。あーはずかしい。


ゴジラ自体の存在感や、破壊され尽くす東京(&川崎)の街、引き画を多用することによる、観ている側の可視感(TV中継的なもの)など多々あるが、やはり出演している俳優たちが「ゴジラ」の存在を「リアル」に感じ、破壊されていく日常を現実のものとして受け止めていたからこそのあの世界観が、観ているほうの意識に現実としてシンクロしたんではなかろうか。と書いてから整理がついた次第。


ちなみに「武蔵小杉」での攻防に「慣れ親しんだ街がぁああぁ」と、泣きそうになりました。