衝撃の一冠目 〜皐月賞〜

一頭だけ違う生き物が走っていたのか。
スタートで躓きながらも慌てず、向こう上面から徐々に進出。３角で中盤に取り付き、４角で鞭一閃。直線ではもはやお話にならない末脚・・・。
終始、外を回った安全策で思いのほかあっさりともぎ取った一冠目。ゴール後の武豊に派手なガッツポーズはなく、むしろ事実を当然と受け止めているような堂々とした佇まい。
450kgそこらの牡馬にしては小柄なガタイが、他馬より遥かに大きく見えてしまう存在感。
なにもかも全てが規格外。
ナリタブライアンの時は他の馬に付け入る隙を微塵も感じさせない力の差がはっきりと見て取ることができたのだが、今年は、そういう感じはしなかった。
ディープの脚質と他頭数による紛れ、勝ちあがってきた馬たちの骨っぽさなど、突け込む余地があったと思う。だからだろうか？みな「自分の競馬」に徹していた。
その結果、現時点で一番強い馬が勝った。ただ、それだけなのかもしれない。
ここを勝ったことで、ダービーはほぼ安泰という見方が大半を占めるだろうし、私もそう思う。
『無敗の２冠馬』誕生―――
カウントダウンが今、始まった。
トウカイテイオー以来の衝撃を2005年5月29日、私達は目撃することができるのだろうか・・・