milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

ハッスル・ハウス vol.12(in 後楽園ホール)

混んでいた。
すんごく混んでいた。
ハッスルの歴史を知っているものとしては、1年間、人気が持続していることは本当に喜ばしい限りだ。と、この時は思っていた。
チケットは7000円(ひな壇・最前列だと12000円する)。
通常のプロレス興行から考えると高い。が、PARCOでの芝居と比べるとそんなものだろう。面白いものにはそれなりのお金を払う必要があるのだ。
おまけに高田総統が登場するバルコニーの真正面である。まじかよ!
すっかりご機嫌で試合を向かえた・・・

開始前のスキット

スキットって日本語ではなんていうのだ。
この世の中にはニュアンスだけが伝わるカタカナが多いような気がする。
試合前の観戦ルールの案内はマイケル。
寒い。
あの人の芸風は寒いよ!なんでチヤホヤされるのかわからん。。。
最初の登場はヒロコ。
白塗りが良く似合いますね。
さすがWWEにいただけあって堂々とした佇まい。野次にもきっちりと反応する対応力はさすがです。
ただ、その野次にセンスが感じられないのが気にはなったが・・・

第1ハッスル

ハッスル仮面とモンスター軍の6人タッグ。
大人気は「京・イタコ」
普段はヨワヨワちゃんなのだが、レスラーの魂を呼び出すととたんに強くなるっちゅう西口テイストなレスラーで、会場の人気を一手に受けていた。東北大会でデビューしたそうな。
これはこれで面白かったが、他のレスラーの通常の攻防も、ルチャムーブできっちり見れました。
しかし、ピエロのマスクが取れたのは、ハプニングでしたな。この後のビック・ハプニングの前フリとしては、あまりに出来杉くんだとは思うが。

第2ハッスル

坂田軍団とモンスター軍のタッグマッチ。
オレの注目は、坂田軍団のマネージャーに成り行きでなっちまった青木裕子である。
試合前のスキッドVからもう釘付け。なんで、こんなにシロウトっぽいんだろ。ひとりでツボにはまる。
入場。ちっちぇー。
セコンド。一生懸命試合を見ているも、まだ、リアクションの取り方をためらっているように見える。自分の中にある壁をぶち壊せるかが大きな鍵だが、そのキャラを”演じている”のであれば・・・カンペキだ。萌萌ですわ。
このあたりから、客の野次のセンスのなさがかなり気になる。
客の話は後ほど、しっかりと。
試合が終わって裕子のマイク。やっぱりシロウトっぽい。すげぇ!すげぇよ!裕子最高だ!
・・・でも、顔はおばちゃん可しているなぁ・・・。

第3ハッスル

4WAYダンス。
田中・金村組×ERIKA・マーガレット組×ドグロンZ・鬼蜘蛛組×チーム3D
チーム3DがWWE時代の”あの曲”で入場してきたので大興奮!全日の時には権利の問題からか使用できなかったので、やっぱり「お金のある」興行会社はきっちりしてるわ。と関心しながらの大興奮であった。
試合は4WAYらしくあっちもこっちも。それでも、見やすかった。3Dだけ見てれば良かったしな。
いろいろあって残ったのは3DとERICA組。
この絡みがコミカルで、WWE時代のダッドリーズとはまた違った面を見せてくれた。
おなかいっぱいの試合であった。
懸念はドグロンZ。素顔のほうが全然いいのになぁ。この人はシングルプレイヤーだなとつくづく思った。もったいない。

休憩

トイレで圧死するかと思った。
入ったいいが、入る人が多くて出られない。でも人は入ってくるのでトイレ、乗車率200%ですよ。死ぬだろ。

セミハッスル 〜RGデビュー戦〜

「ビターン」を受けた健想とのシングル。
RGは入場から、「狡い」キャラを「堂々と」やりきっていた。
素材としては素晴らしいですな!
あのパクリそのもののコスチュームを脱ぎ、黒パンツにシューズ姿でゴング(藤原と同じ格好)。一見するとどっこい浪口とそっくりですわ。
試合のほうもリングを回る姿(自分の身体をやたらとパチパチ叩きながら)がサマになっているばかりか、ロックアップもきちんとしていた。さすがである。
一方の健想。これまたきっちり受けている。凄いことだ。
試合はビターンを受けている健想がお約束であるはずのフォールを返して、ビビッてたじろぐRGにのど輪落とし一閃。あっさり勝利で鈴木家離婚!すさまじいスキッドである。ちょっと後味悪いなぁ。GM解任になったヒロコはこのあとどういうストーリーを歩むのだろう。そして時期GMは?

メインハッスル

大谷・TAJIRI組×アン・ジョー司令長官・長尾組
ビターンを受けた長尾。なんと「ジャイアント・ボバ」となって後楽園に降臨。ひっくり返るほど笑った。
試合はあっさりアン・ジョーが負け。その後、健想乱入!
リング上がごちゃごちゃしていると・・・

試合後スキッド

ゴールドフィンガーが鳴り響いてHGが乱入!すげぇ!
モンスター軍を蹴散らしたハッスル軍の前におなじみの「威風堂々」、そしてマイクのやり取り。
詳しくは
↓↓↓↓
http://www.hustlehustle.com/free/fightcard/index.html?id=1141384340
「総督」って・・・。
しかし、久しぶりに見た総統は相当「グダグダ」でした。慣れちゃったからなのだろうか?
「認められた」観のあるハッスル。
それによって緊張感がなくなってしまったのか。
そうでなければ、台詞を間違うなんてことはないだろ。ないだろ!
まさに「バットラック」である。

感想

全体としては面白い!そこに文句をつける余地はない。
ただ、上記のような油断のせいか、すこしほころびも感じる。
台詞の間違いもそうだが、気になったのはまず、長尾のコーナーに立つ位置である。
基本的にホールのメインカメラは南側、つまり、笑点の舞台があるほうとは反対側のひな壇の上にあり、彼はそこに背を向けるように立っていた。つまり、つねに背中を向けている状態になる。
プロレスを良く見ていると、ポスト越しに動いたり、ロープにもたれたりして、観客の視線を確保してくれるレスラーが何人もいることに気づく。
彼は唯でさえ「ジャイアント」なんだから、そういうところにもっと意識を持ってほしい。
大谷にくらったすんごいミサイルキックも、予期した受け方ではなかったように思えた(まあ、見方の問題ですが)ので、そんなことではまた、ケガするぞ。
意識の塊のようなTAJIRIがいるのだから、そういうところは、他の選手も含めて、大いに盗んでほしいものです。
一方、TAJIRIの観客への意識は素晴らしかった。
きっちり視界をあけつつ、自分のキャラも「表情」でしっかりとアピール。彼を獲得できたのはハッスルにとって、かなり大きいと思う。

大きな懸念

それは観客である。
こういったイベント(興行)では、演者と観客の一体感っていうものが、非常に大切なことはいうまでもない。
そもそもハッスルは「観客参加型」のイベントだと思う。そこは間違いない。
模索の時代を経て、そのスタイルが認知され始めたのが一昨年の中盤あたりからであろう。
ハッスル・ハウスの初期ナンバーはチケットがなかなかとれなかったからだ。もう、爆発的な人気だった。
当時はHGもインリン様もいなかったのにだ。
会場には一体感があった。
演者と観客の関係には「緊張感」があった。
その姿は「古き良きプロレス興行」のそれと変わらないのではなかっただろうか。やっていることはちょっと違うのに・・・
それから、1年以上が過ぎた。
紙面やスカパーなどでチェックしていたが、やはり、ライブのほうがハッキリと感じ取れる。
「ハッスル」は油断している。
HG参戦による一般層の客が増えたことと、やはり、新日本プロレスの崩壊(って言っていいだろう)が大きいのではないか。
プロレスを見るってのは意外と難しいもんだとオレは思う。
感性が必要なものだと思う。
さらに野次るとなるとそれ相応の覚悟とセンスが要求される。他の観客にも聞こえるからだ。
この日のハッスルで感じた大きな懸念。
それは「観客の野次が独りよがりである」ということだ。
言いっぱなし。
その野次に対して、責任をとらない。
その開場、試合にはそのときの流れというか「空気」がある。
その「空気」が読めないのだ。
読めないだけならいい。
その「空気」を壊すんだな。
そんな客は昔からいたけど、それに対してたしなめる風刺の効いた野次を返す人がいたもんだ。
そんな客もいない。
観客はそれぞれお金を払ってみているから、どう楽しもうがその人の勝手ではある。
しかし、羞恥心はないのか?
そういう観客の雰囲気は演じ手にも伝播すると思うのだ。
その典型が高田総統のキャラである。
あきらかに変わっている。グダグダなのだ。
慣れなのかもしれないが、今のままであぐらをかいているとあとで痛い目にあうような気がする。
HG人気で掴んだ客は、流動客だ。
それにチケットも高い。
この国の人は興行にお金を払うという感覚にシビアではないが、つまらなかったら切り捨てる。
いまから対策を練っていたほうがいいと思うが・・・。
せっかくここまできたのだから、もったいないと思う。