milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

寝ずの番(2006:日本)

タイトルから邦画だろうと検討はつけたものの、内容に関してはまったく予備知識なし。
しかし、見始めると劇場CMで見ていて「見たいなぁ」と思っていた映画だったことを思い出す。良かった。
で、内容については・・・
面白かった。
なにがどうということではなく、雰囲気が非常に牧歌的。
通夜の精進落とし(でいいのか?無知な私)の席で、個人をしのんでの思い出話をする話なのだが、故人が落語家であるということもあって、滑稽でおかしい。
内容はスケベで下品(”ババ”やら”○んぽ”やら”おめ○”やらそんな単語ばっかり出てきます)なんだけど、そんなふうには思えず、とにかくクスリと笑わせてくれる奥ゆかしい笑いであった。


しかし、それだけではなく、弟子たちの故人に対する思いが伝わってきて、ほんのり心を温かくさせてくれた。人情ものともいえるのだが、舞台が上方落語界の話なので、そこが私には新鮮に感じられた。
関西の気質っていうのはやっぱり私に合っているなぁと思うが、その感性は非常に「古(いにしえ)」な感覚なのではないか、昭和のにおいではないかと思ったりもする。


時代はいそがしい。立ち止まると死んでしまうかのように、我先を急いでいる。
しかし、こういう話を見て、ちょっぴり微笑んだり、ほんのり目が潤んだりする心のゆとりがあるってことが大切だと思うし、こういう映画が撮られるということが、まだまだ、捨てたモンじゃないなって思う次第でございます。


まぁ、やってることは不謹慎なんだけどw、そこに愛を感じる”和み”な作品でした。(☆4)