milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

 弾丸MAMAER「からっぽう」(in 新宿シアターサンモール)

「どうせだれもいないのならば」と6時に退社。あとでバレたらまた下らん因縁をつけられそうだが、そんときはそんときだ。
開いている時間は有効に使わんと勿体無い。
そういうわけで、先日「インプロ!」の収録で見た弾丸MAMAERという劇団のお芝居を見に行った。
知人・友人が全く絡んでいない舞台はいつ以来だろう。
そしてサンモールも高校生以来だから、かなり昔のことだ(となりのサンモールスタジオはこないだの水性音楽で行ったが)
当日券で入る。3800円。この小屋ならそのくらいだろう。


急にこんなことをしたのは、インプロのビデオも昨日みたからだ。
弾丸MAMAERの中村さんという役者さんが、場を回すのが非常にうまく、また、空気を変えるのも上手い。
上手いなと思う役者を見たら、その人の劇団の芝居を見たくなるのは、仕方ないことだと思う。
昔はお金がないという、非常に現実的でつまらない理由で見られなかったけれども、今は違う。
それに、感性が求めているものに対し、それを素直に受け入れる気持ちを忘れたくはない。
迷惑がかかるのが自分のみなら、その感性に従っていくべきだと、あれこれ理由をつけてみたが、結局「見たいから見に来た」ってだけの話。回りくどい男だよ。


で、感想。


・・・凄い。素晴らしい舞台でした。
番組でも言っていたが本当に人情もので、笑いは多少あるにせよ、こんなにも「ストレートプレイ」で魅せてくれる劇団を、いままで見たことがない。
人目も憚らず泣いていました。気付いたときには自分でビックリした。知らぬ間に泣いてしまうなんて。


主人公の女性の愛。信念を持った愛情。そのために自分の身に起きる数々の不幸。あまりにも健気。そしてあまりに理不尽。
いつの時代もダメな男はいるものだが、そんなダメな男にある唯一のいいところを信じて、堪えて待つ女。
今の時代では到底ないであろうこんなことですが、人を愛するってことは信じるってことでもあるんだと、単純な事実に改めて気付いたのであった。
信じて受け入れる。。。
女は短い人生を終えたが、決して、後悔していなかった。亭主の暴力と借金苦で苦労が耐えない日々のほうが多かったけれでも、最後は笑って死んでいったとモノローグが入り、とにかく、涙が溢れて止まりませんでした。


見に行ける人は見に行って欲しい。
そして、自分の中にあるやさしい気持ちを見つめ直してほしい。
側にいる人を心から大切にして欲しい。
そんなことをいっぱい、いっぱい考えさせられたお芝居でした。


本当によかったです。ありがとう。(☆5)