milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

ゆれる

メゾン・ド・ヒミコ以来、すっかり好感を持っているオダジョーさん主演。
殆ど女性が登場しない男だらけの映画である。しかも、家族内の泥臭い感情入り交じったお話。しかし、不快感はない。
兄さん(香川照之)と弟(オダジョー)の間にある他人には伝わりにくい感情の"ゆらめき"が見所だと思うのだが、結局は、映画の中では答えを出してないように思えた。
確かにイメージシーンによって、それは解らせている。いるけれども、そのイメージも結局は弟の中にある映像であり、劇中、何度も書き換えられているではないか。
人の記憶なんて、都合の言いようにいくらでも自分の脳みそで変化する。あてになったもんじゃないなと再認識したけども、そんなこと言ってたら、なんにも信じられなくなる。


この話の主要人物で唯一心が「ゆれ」ないバイトの青年が、刑期の7年後、一番真っ当なカタチで描かれていたことが印象的でした。
信念を持っていることって大切だと思う。(☆3)