milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

人展(第2回)新宿シアターPOO

2006.10.29記

いやはやこの「人展」。今回で2回目だけど相変わらず予測不能な愉快さです。
出演者の"人"たちをレビュー

東方力丸さん(マンガ読み屋)

前回に引き続き唯一の出演。
業界では注目されているとのことだが、マンガを読むという芸風から、著作権問題でメディアへの出演ができないらしい。なので、もっぱらイベントなどに参加しているのだとか。
しかし、知ってる人は知っているのだが、下北沢の駅前で路上ライブ(?)を頻繁にやってるんだとか。なので、見たことある人は結構いるよう。うちの会社のやつも知ってる人いました。
この人のネタはとにかく、見てみないとその面白さは分からない。
今回はいろいろ欲コイてすべっていたが、最後の「歩きながら北斗神拳」はホント面白かった。また見たいっす(☆4)
追記:このときちょっとだけ舞台にあがりました。やはり板の上はいいなぁ(しみじみ)

異儀田夏葉さん(舞台女優:フリー)

進行の川島くんがヘマしたこともあり、やり直してのひとり芝居。
ひとりなのだが相手がいるというちょっと変則的な形式のもの。
その相手というのが・・・・マネキン。
マネキン相手に芝居を展開するという手法で、ちょっと面白かった。
ただ、相手の声のタイミングはおそらく、音響担当の人が出しているものだろうから、結局「掛け合い」になっており、純然たる1人ってのとは違うなぁというのが、正直なところ。
でも、ストーリーは面白かった。
ただ、この企画はストーリーを見せるのではなく、人物を「魅せる」ことが主旨だと私が勝手に思っているので、落ち着いてみられたがさて・・・という感じであった。(☆3)

ジャニス=ジョッパリンさん(山下総合病院所属)

「山下総合病院所属」なんて当日パンフ(前日適当に作った:主催者談w)に書いてあったので、てっきり、本当に勤務している人たちが慈善事業でフォークソングかなんかをやるのかと思ってたら・・・出て来たのが包帯グルグル巻きの基地外・・・基、患者さん。
あとから説明を聞くと、「山下総合病院」ってのはなんでもバンドなんだそうで、医者とか看護婦とかいるなかで、今回は患者だけ「脱走」してきたんだとか。
まぁ、ものを投げるは、客にからむは、喚き散らすはで、その基地外っぷりが面白いのなんの。
銭の取れる「基地外」でした。最高!☆5

原敬一さん(舞台俳優:劇団バンクラッシー所属)

はっきり言って、模倣を見せられてもなぁ・・・って思った。
イッセー尾形さんの演る「バーテン」を彼なりにやったのだが、そこから彼の魅力を感じることは微塵もなかった。
ひとり芝居というのは、基本、相手のセリフは舞台上には聞こえてこない。
それをいかに観客に分からせるかが大きなポイント。だから難しいのだ。
しかし、彼の演技からはそれらを感じ取ることはできなかった。
厳しい意見ですが、ハッキリ言ってダメダメです。
模倣をやるならその意味と意義を観客に分からせなければ意味がない。
オリジナル見たほうがいいわけですからねぇ。ちょっと、ムッとしながら私は見てました。(☆1)

本田まさゆきさん(第三回「詩のボクシング」チャンピオン)

肩書きの通り、詩の朗読から始まった。
純朴な心の奥にズキーンとくる詩だった。
「あ、たまにはこういう真面目なのもいいな」と思った矢先に・・・
しもネタかよ!しもネタかよ!
とにかく、しもネタの詩や唄へと傾倒していく。
そのバランス感覚が絶妙で「きたねぇー!」とイイながらもゲラゲラ笑った。反則だけどとにかく笑った(☆4)

休憩

開始が"予定通り"の10分押しw
ひとり15分が持ち時間のハズはこの時点で30分押し。
この適当具合がこのイベントの良さであり、主催する川島くんの良さでもある。
仕事が立て込んでる時期だったので、カラダはきつかったが(苦笑)

ヤマダコウイチさん(仮名:宗教団体「真光」信者)

※この人だけシロウトさんなので実名は伏せます
どこで声をかけたのか皆目見当もつかないが、「手かざし」で有名な宗教団体の信者さんが、本気で布教活動をするということで、彼は壇上に上がった。
実は私も一度だけ「手かざし」の恩恵を受けたことがある。
こういうものはいくら説明しても、結局は実体験として感じないと信じることは出来ないであろう。
私の場合は、コンビニでバイトしていたときに、足のむくみと片頭痛に悩まされていたのだが、たまたま常連のお客さんがそこの信者さんで、実際に「えいや!」と手をかざしてもらって2分くらいでスッキリしたということを体感した。
その時感じたのは、手の先から強い熱を感じ、時折、電気が走るような感覚を患部に受ける。接骨院の電磁波の機械と同じ感じだったのだ。
ちょっと恐くなったので、それ以来、近寄るのやめたのですが、そんなことも体感している私。さて、ヤマダ(仮名)さんは観客をどうやって自分の世界へ引き込むのか、そこに注目して見ていたが・・・


シロウトさんにそれを求めるのは酷だった。
そこに上がった度胸は買うが、引き付けるような求心力は彼には全くなかった。
挙げ句、手をかざしたのは主催の川島くん。それでは意味がない。
そこに来ていた観客のひとりにやらんと、布教するという行為にはならんだろうとがっかりちゃんでした。
腰痛治して欲しかったのになぁ・・・(☆つけられん)

川島潤哉(主催:役者:コマツ企画所属)

いつの間にかコマツの人になった川島くん。
彼の持っているポテンシャルは相当高いと私は勝手に思っている。
彼とは2度(だったかな)同じ板の上にたったのだが、彼と演っているとき、エネルギーをビッシビシ感じるので、あれが心地よかったし、イイ刺激になった。「役者」と芝居をしているということを実感されられた数少ない役者さんである。(俺はホモではないぞw)
その彼が演ったこと。
テーマは「80年バブル」ってことだった。それを1人で多彩に表現する。この表現力はどうやって身につけたのか非常に興味があるが、よーく人間を観察しているんだろうなとひとり納得する。
で、ここからが多分彼が魅せたかったことだろう。
私は「感情解放」を人前でやっているんだと思った。
今回、彼が魅せたかった(であろう)ことは彼の中にある疑問。「人は打ちなる感情の通りに外へ出しているのか」もしくは「役者というものはウソツキなのか」
表現が違うので違うことのようだが、これは結構、似ていることなのではないか。
「人展」で人を見せながら、最後に観客自身を見つめさせるなんて、人が悪いよw
そういう試みは非常に素敵なので、私はやはり、この男から目が離せないんだなぁ(☆5)