milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

小春日和

天気の良い日はこのバイト、日中はめちゃくちゃ暇である。いつものように待機場所の公園へ。東京タワーのふもとにある芝公園では平日の昼間にもかかわらず、背広どもが絶賛宴会中。この国は平和だ。うらやましいと思いつつ自分の昼寝の邪魔を去れては困るので、別の比較的静かな公園へ。その公園にも大きな桜の木がありその下には朱色の鳥居が2つ。なにやら神秘的だ。舞い落ちる桜の花びらがその思いをさらに大きなものにしていく。そこへ別のバイトの人がきた。何となく話をしている内にプロ意識の話になる。彼は某有名グループのバックバンドをやっていたのだが、今はバイトをしながら自分のやりたい音楽のために時間を費やしている。彼が言うには「最初に情熱やらメッセージやらがあって、それが認められてデビューしたとしても、売れ続けるためには結局そう言ったものを忘れ、売れるような曲を作るようになる」ということだった。もはやそれは「アーティスト」ではなく「ビジネスマン」であり「サラリーマン」であると私は思った。「物事に対し、あるいは人に対して常に純粋な気持ちでいることがクリエイティブなことへと繋がっていくんじゃないのか。だから、人に対して素直に質問したり、謝罪したりすることができないものを認めない。」とも言ってた。それって、先日、長ったらしく書いた半分気狂いじみた俺の日記といってること変わんないなぁとなんだか嬉しくなった。同じようなこと考えてる人がいるんだと。私はその人の作った曲が聞きたくなった。今時の歌い手さんたちのチンケなバックミュージックとは違い、きっと趣のある、心のズーッとおくのほうをくすぐられるのではないかと密かに期待するのである。こういう人がまだ自分の周りにいることが救いであると思いながら共に仕事が入り別れた。