milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

MCR Vol.22「朝顔の寝顔」in 中野ポケット

道中、なんとか気分は持ち直すも今度は彼女さんの気分がアングリーになり、壁やらゴミ箱やら殴り出した。すまん、ちょっと引いた・・・。でも、これってよくよく考えたら、映画学校時代に俺も壁やら電柱やらにミドルやハイキックを叩き込んでいたのとなんら変わらんのであった。そっか、じゃあしゃあない。お互い似ているってこっちゃことだね。んあ〜。
まあ、なんとか中野についた。まだ、彼女さんはおさまってない。が時間もないので急いで劇場へ。なんとか間に合った。ていうか押してた。彼女がたばこを一服吸い終えるのを待って劇場内へと入る。
この小屋は小劇場のなかでも比較的広いところで200人(もっとかな)入ることができる。シートもゆったりとしており、ひじ掛けがついているので非常にリラックスして観劇ができるのが良い。隣にあるMOMOと合わせてお気に入りの劇場である。(ただ、芝居がたるいと熟睡してしまうんですよねぇ・・・)
席は比較的上段であったがセンターで非常に見やすかった。それでは本編。ここはどうやら毎回独立したショートストーリーを3本上演する形式をとっているようだ。(前作のチラシもそうなっていたので)これは、芝居馴れしていない人には見やすいのではないかな。コメディだし。
1本目。人間ウオッチングと称し、同窓会での3人の男の会話とその心情を描写。人間のつまらない見栄や嘘がなんともコミカルに描かれていた。おもしろい。クスクスってかんじの笑いであったが、乾いていた心にはこれで十分であった。しかも、最後はウオッチャーだった人が本当はためされていたという落ち。予想の範疇ではあるとも思えるのだが、私は素直に感心した。1度で2度美味しい感じである。期待感が高まった。
2本目。のまえに幕がおりインターバル。どうやら「アンケートタイム」のようだ。この時間を使って、それぞれの感想を書いてもらおうと言う試みであろう。こういう劇団としての企業努力は見ているものにきちんと届く。勉強になった。しかもただのアンケートタイムではなく、小ネタをきっちり見せてくれるのだ。前回の出演者から次回の出演者へのバトンタッチもなにげに行っている丁寧さ。しかも、小ネタの核になっている「アンケート調査員」の役の白いジャージの役者(ちなみに唯一、全編に登場しマイワールドをぶちかまし、観客のみならず共演者をも笑いの渦に引き込む、共演したいようなしたくないような素敵な役者さんです。名前は忘れたが)がしっかりと自分のペースを守っているので見やすい。そして、面白い!なので、たいていの人はアンケートなんか書けねぇんですよ!まさに本末転倒。そして適当。この世界観はいいねぇ〜。
長くなったが2本目。スクリーン幕が上がるとセットが変わっている。といっても大幅に物が変わった訳ではなく、始めから舞台上にあった四角い大きなパネルたちを立てたり寝かしたりひっくりかえしたりして、見た目の色見を劇的に変化させることで、場面が非常に新鮮に見える。とくに今回は赤、青、黄の原色が非常に栄えていて、単純なんだけど非常に綺麗な空間が出来上がっていた。
それにあわせて出演者の衣装もハッキリとした色見のものが多く、物体として全体が非常に美しかった。
芝居自体もこの話が一番、ストーリーがしっかりしており、ばかばかしい事ばかりなんだけど、肝心なところはきっちりと台詞を聞かせてくれた。非常に良いものを見た。
シチュエーションはある旅館に泊まりに来た若い夫婦。その旅館が崖崩れ(ていうか街全体が?)で部屋がなくなってしまい、別の部屋を案内される。と、そこへ留置所上がりのへんてこな強盗団が泊まりに来て、相部屋となる。そこで、夫婦と強盗団のコミカルなやり取りや旅館の番頭(こいつもくせもの)とコック(なぜか白いジャージで強気)もからんでヒッチャかメッチャか。
しかし、実は旦那さんが重病でもう命が短いことを知った妻が最後にわがままで連れ出して来たことが(たまたま)分かり、強盗団たちが思い出づくりに人肌脱ぐ。ていうちょっといい話。なんだけど、普通には転ばずにあっちこっち脱線しまくり。
極め付けは、白いジャージのコックがなぜかZガンダムのラストシーン「カミーユvsシロッコ」を独り芝居で延々5分ぐらい再現を始めるとこなんだが、知らない人にとってはどうなんだろうと思いながらも、白ジャージの放つエネルギーに観客はみな大爆笑!スゲェよ!あんた!スゲェよ!!まさに連邦の『白い悪魔』だよ!名前わかんないけど。
とにかく、この段階でもうかなりお腹一杯だった。彼女さんの機嫌もまあ治ったみたいだし。この先にさらに期待してしまった。ちなみにこの回の強盗団のあほな子分やく「三瓶」が三瓶さんでした。そうとう「アホ」でよかったです。暗転明けのみんなでぐちゃぐちゃになってなんだか訳の分からんことをしてじゃれあっているところは最高でした!
3本目の前にインターバル。またまた「アンケートタイム」。今度はアドリブ勝負みたいな感じだったが、こういうのって女の人は苦手だと思うんだよなぁ(やるのが)もともと、女の人のお笑いのひとって少ないでしょう。だから、あんまりいただけなかった。ちょっとトーンダウン。
3本目。耳が聞こえなくなりつつある主人公の家に別れ話をしに来た彼女。それと事情を知っている主人公の友人とまったくなんにも分かっていないおせっかいな彼女の友人という、構図だけ考えれば結構面白そうなんだけど(会話の行き違いやら、勘違いやらで)落とし込むところがアンハッピーだったのが個人的に好みじゃなかったのと、やはり、これは今までの役者さんにくらべてちょっとパワーが足らなかったように思う。主人公の役がへらへらした感じであったせいもあるのだろうが、にしても、魅力的には見えなかったし。あとは、「耳の聴こえづらい」って言う設定を生かすために、あえて役者間の距離をとっていたのが非常に鼻に着いた。ああいうところは意識させちゃあ行けないんだよなぁ・・・。
結局は、間に入っておろおろしていた主人公の友人をもっと旨いこと使えなかったものかなぁと思ってしまうのである。勿体無い。あとは、白ジャージの人が隣人として登場して来たけど、あまり必然を感じなかった。ここでもガンダムネタやってたし。確かにコミカルにはなったけどねぇ。でも、あの人、いいなぁ〜。でてったら全部もっていっちゃうんだもん。スゲェよ。友達になりたいようななりたくないような・・・
とにもかくにも、機嫌はすこぶる良くなった。
観劇後、伊トウ本式の瀬戸口くんとあった。久しぶりに役者の人と演劇の話をしたので、本当に有意義な観劇となった。みなさん、また飲みましょう!!三瓶くん!おつかれさま!!次、あったら金払います。おもしろかったのでおまけ付きで。ククルカンでも楽しみにしておるぞ〜。