milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

「インプロ!」(CS721)

インプロなんて言葉は聞いたことがなかった。
しかし、番組の内容は私が見たかったものにかなり近かったのでよしとする。
インプロとは即興芝居のことを指す。
私が稽古をしていたころは「エチュード」と呼んでいたけどな。


通常、稽古場では体を動かし、声を出し、滑舌を鍛錬する。
そして、脚本の稽古をするわけだが、台本ができていなかったり、本公演とは直接関係ないような稽古のときには「即興芝居」をやることが多い。
これは、普段からお互いの呼吸を掴む上で非常に重要だったりするのだが、今回の番組は実際には競演したことのない劇団を「対決」させるというのだ。
お互いになにをやるかはわからない。
これが偶発的な面白さをかもし出すのである。
人によって違うだろうけど、これはやっていて、おもしろいのだ。
「相手の出方を伺い、持ち味を引き出しつつ、自分の個性もしっかり見せる」
・・・・。
これってまるっきり「プロレス」のような気がする。
芝居をやっている人たちにプロレスファンが多いのはそういうことが関係しているのかもしれない。


と、ここまで書いたが、実際の番組構成はちょっと違った。
一つは劇団ごと3人出てきて、持ち時間15分の中で与えられたシチュエーションをこなしつつ、最後に決まった決め台詞をいうもの。
もう一つは代表者2人による10分間のガチンコ対決。


前者は劇団の個性をハッキリ浮き立たせるものであり、後者は先に述べたような偶発性のおもしろさである。
ただ、そこにちょっとしたゲーム的要素を加えており、「番組」として、きっちりとしたつくりになっていた。


恐らく低予算であろうけど、1時間、時間を感じさせない面白さがあり、今後、目が離せないと思うと同時に、これならできそうだと、いまだに未練たらしく思う俺がいるのもまた、事実だったりするのが、ファックなのだ。