milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

ワールド・トレード・センター (2006:米)

予想通りの映画でした。
ユナイテッド93を見た頃はかなり期待していたのですが、CMで映像を何度かみるにつけ、「ん?」と眉をしかめるようになり、最終的には「別に見なくていいや」と思っていたのだが、時間の都合上、この映画しかなかったので見た。

ハズレである。


この話しは実際に災難に合い、助かった警察官の話を元にして作られているので、ハズレって言葉は不謹慎だと思う。
でもハズレである。
偽善的すぎるのだ。


5年前のあの惨劇は語るまでもなく悲劇である。
絶望的な状況の中での数少ない幸福な物語。
助かったことは素直に喜ばしいことだし、そこに携わった人々の勇気と熱意は本当に頭が下がる思いだ。


しかし、忘れてはならないのは、その裏で、約2800人もの人々があの瓦礫に埋って、あるいは燃えて、あるいは飛び下りて亡くなっている。
この映画では、そこは殆ど描いていない。触る程度だ。


事実を元にした結果、そこに関わらなかった人の悲しみは出てこないのだ。
だが、本編中でもあるように、助かった警官の同僚は何人も亡くなっている。
そういうことを盛り込めなかったのか。
助かった家族だけをみせたところでなんの感動があるのだ。
それは待っているほうは辛かろう。
でも、生きてリゃいいじゃんか。
死んでしまった人たちは?その家族は?


薄い。とにかく薄っぺらい。
オリバーなんとかだか、なんとかストーンだか有名な監督さんらしいが、ファック野郎ですよ。
キリスト讃歌なシーンもクダラナイ。(キリスト教がダメってことではなく、表現の仕方に政治的な意図が見えて反吐がでるってことです)


ホント、全てがウソ臭かった。
でもまぁ、真実ってのは案外こんな薄いのかもしれん。
それにしても、もっと、描き様があるやろと思ってしまうのである。


ユナイテッド93を見てしまったので、なおさら、である。(☆2)


追記:今見ると、あのビルの崩れ方もウソみたいにきれいに垂直に崩れている。どうやったら、ああいう高さのビルがああいうふうにきれいに崩れるのか・・・。もし、なんらかの作意があったとするならば、ナゾが明かされるのはアメリカの法律で50年後である・・・
どちらにせよ、近年、稀に見る人為的悲劇であり、リアルな感覚として「戦争」を認識した事件である。
ジオン・ダイクンの唱える「人の革新」はいつ訪れるのだろうか・・・人とは浅ましく悲しい生き物です。。。