milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!! in 京セラドーム大阪

こんな感じでした。

この文章を書いているのは1月3日。
つまり、いろいろな疑惑について既に方々で書かれていることを目にしてしまっている。
しかし、ここでは、実際にその場にいて感じたことを書いていこうと思う。


当初、大阪へ行こうと思った時にはまったく思いつかなかったのだが、「そういえばDynamite!!やってるな」と気付いてからは予定に組み込んだ。
というのも、正月に大阪にいてもみなさん忙しく、なかなか遊んでくれないということが判明したからだ。なんてこった。


いつも宿泊する天王寺マンガ喫茶をでて御堂筋線長堀鶴見緑地線と乗り換えて大阪ドームへ。
あ、「大阪ドーム」はもはや旧名称。スポンサーに付いたのは野球の開幕前だったのだが、正式に「京セラドーム大阪」と報道されるように通達だが出たのは夏前だったか。
でもやっぱ「大阪ドーム」だよなぁ。


ドームの周辺。おもいのほか「何もない」
あとで分かったのだが、ちょっと歩くと何件か店がある。しかし、コンビニは見当たらない。
イメージとして甲子園球場のような感じだと思っていたのだが・・・なぜか「びっくりドンキー」しかない。文字通りびっくりだ。
仕方ないので行列の売店にて昼食を買う。ついでにビール。飲みっぱなしジャーマンだ。


ダフ屋もおったがちゃんと当日券(6000円)を買う。
ダフ屋におばちゃんがいるのは、大阪ならではなのか?少なくとも東京ではお目にかかったことはないぞ。新鮮。


ドーム内は寒い。底冷えする。
座席はかなり埋っていた。あとから発表になったが5万人を超えているとのこと。
おそらく実数だろうが2階席を解放しないでこの客数ってのは・・・すごいな。


ドーム興行なんておそらくは「船木×ヒクソン」以来だろう。やはりリングが遠い。
それでも極力肉眼で見ようと心掛けて観戦となった。
順繰りに振り返る。

<オープニングファイト HERO’Sルール 5分3R>
●キム・ドンウック(韓国)(3R 1:11/タップアウト)○内藤征弥(日本)


・・・。
やる必要あったのか?
だらしない試合だったと思う。
緊張感からの解放は分かるがあれでよく勝った人はガッツポーズできるな。五味のようにポストに登ろうとしたけど・・・
中身のない試合だと感じた。


〈ここでオープニング〉


派手の一言。
これだけで"PREMIUM"な感じがする。
この感覚はライブでないと伝わらないだろう。これでかなり満足。

<第0試合 HERO'Sルール 5分3R 72kg契約>
●金子 賢(日本)(判定 0-3)○アンディ・オロゴン(ナイジェリア)


初戦こそ金子を誉めた私。
しかし、今回は・・・気持が見えなかった。
この試合に関しては前田が所戦の前に言ってたことをそのままぶつけていいのでは?
あれでは銭はとれない。出直すべき。というか、格闘家を名乗るべきでない。
一方のアンディは打撃にセンスを見て取れた。
なにも基盤がない状態からのスタートだったことを考えると、今後、きっちり練習すれば面白い存在になると思う。

<第1試合 HERO'Sルール 5分3R 70kg契約>
永田克彦新日本プロレス)(1R 4:12 / TKO)●勝村周一朗(勝村道場)



両者ともに気持のでた良い試合だったのでは。
前の2つがいまいちだったこともあってこれで会場が温まったように思えた。
永田さん弟、和太鼓で入場。素敵だ。
勝村も果敢にせめていったがやはりメダリストの自力が上回った形。強いな、永田さん弟。
セコンドの永田さんとのダブル敬礼は秀逸。
会場で温かい笑いと拍手を贈ったのは間違いなくプロレスファンで、KIDや元気や魔裟斗ファンではないだろう。意味わからんだろうし。

<第2試合 HERO'Sルール 1R10分・2R5分・延長5分 85kg契約>
石澤常光(TEAM JAPAN)(1R 2:41 / KO)○金 泰泳(日本/正道会館


カシン無策。
金チャンを見るのはかなり久しぶり。
佐竹、後川とともに、初期のK−1では欠かせなかったなぁ。
素晴らしいハイキックでした。見えなかったのかなカシンは。


それにしてもおそらくはTBSが作ったであろう煽りVの無知ぶりにこの辺から違和感を感じはじめる。

<第3試合 HERO'Sルール 5分3R 70kg契約>
○所 英男(日本/チームゼスト)(判定3-0)●ホイラー・グレイシー(ブラジル)


所さん。入場テーマも所さん。なのね。
しかし、強いな。
動くところを始めてしっかりみたけど、早い。
よく、金子戦を受けたなと思う。レベルがダンチ。

<第4試合 HERO'Sルール 5分3R>
●曙(日本/チームヨコヅナ)(1R 1:05 / アームロック)○ジャイアント・シルバ(ブラジル)


一番見たかった試合は1分で終った。
曙さんはほんと、なんにも出来ないなぁ・・・
でも、なんか許せてしまうのだ。
また頑張れ。


〈ここで20分休憩〉


トイレに立つ。
曙さんの試合で既に席を立つ人が多かった。
やはりみんなの目当てはKIDであり元気であり魔裟斗なんだろうか。
とにかく、女の子だけで見に来ているグループがかなり目立つ。
かと思えば昔のプロレス知識をひけらかしあう若者(ちょっと間違ってたりするのは御愛嬌)なんかもいる。

ふるさとの なまりなつかし 停車場の  人込みの 中に其を聞きに行く

小学校だったと思うが授業で習った石川啄木の句を思い出してしまった。
ちなみにプロレスファンの坊やたち。
なぜかWARの話で盛り上がっていたものの、"石川"の名前だけどうしても思い出せず「のど輪の人」と連呼しておった。
石川、いまなにやってんだろ・・・

<第5試合 K-1ルール 3分5R>
バダ・ハリ(モロッコ)(2R 1:28 / TKO)●ニコラス・ペタスデンマーク

<第6試合 K-1ルール 3分5R>
○武蔵(日本/正道会館)(3R 0:33 / KO)●ランディ・キム(韓国/フリー)

<第7試合 K-1ルール 3分5R>
セーム・シュルト(オランダ/正道会館)(判定 3-0)●ピーター・グラハム(オーストラリア)


K-1ルールの3試合はペタスの入場の後、たまらず寝てしまった。
やはり、緊張感がなかったからかな。
あ、興味ないからだ。

<第8試合 HERO'Sルール 5分3R 70kg契約>
須藤元気(日本/ビバリーヒル柔術クラブ)(1R 3:05 / 三角絞め)●ジャクソン・ページ(米国)


元気の入場をようやく生でみることができた。
やはりあれは銭がとれる。パフォーマンスとして、しっかりと完成しとるからね。
でも、あれだけ踊って試合に影響ないのかよ。勝ったけど。
勝ったけど、格闘家としての凄みを感じることはできない人だね。この人は。
多方面で活躍するマルチな人って、この世界では魅力的に見えないのかも。


で、突然の引退。
やたら拍手を強要するMCとそれに従う会場のノー天気。
ここは私の居場所ではないなと思う。

<第9試合 HERO'Sルール 5分3R 70kg契約>
山本“KID”徳郁(日本/KILLER BEE)(1R 3:46 / KO)●イストバン・マヨロシュハンガリー


本日の注目第2弾。
神の子を生で拝む機会はそうないだろうと思ったが、ドームではキャパが広いのか伝わってくるものが少なかった。
それでも強いねこの人は。


背丈が小さくとも、いくら会場がでかくとも、『なにか』を持っている者はその存在を『大きく』魅せる。
ドームのような会場では伝わりにくいのかもしれないが、なぜか松坂大輔のスケールの大きさを実感することとなった。

<第10試合 HERO'Sルール 5分3R>
チェ・ホンマン(韓国)(1R 0:16 / TKO)●ボビー・オロゴン(ナイジェリア)


入場だけで楽しめたのでいいのではないか。
相手が相手だし、ボビーが自分で倒れてしまった展開ではあったが、ホンマンのポテンシャルは高い。
総合の試合をまた見たいと思った。

<第11試合 K-1ルール 3分5R 73kg契約>
魔裟斗(日本/シルバーウルフ)(2R 2:22 / KO)●鈴木 悟(日本/フリー)


ここもTBSの煽りV
魔裟斗は"世界"チャンピオン
鈴木はチャンピオンとMC。
日本王者って1度も言わなかった。何故だ?
確かにチャンピオンだが、そこにあざとさを感じて、非常に不快だった。
観客と視聴者をバカにしてる。


ボクサーである鈴木。
1Rは蹴りにも対応しているように見えたし、パンチもあたっていた。
しかし、魔裟斗は付き合わない。
勝負だか当然と言ってしまえばそれまでだがそこは観客論。
ここでボクシングテクニックで圧倒でもしようものなら、きゃーきゃーいっとるワンフー(古)以外のナナメからみてる輩も「ほほう、やるやんけ」となるのに・・・勝てばいいなら「アマチュア」ですよ。

<第12試合 HERO'Sルール 1R10分・2R5分・延長1R5分 85kg契約>
秋山成勲(日本/フリー)(1R 5:37 / TKO)●桜庭和志(日本/フリー)


正直、何が起こっているのかわからなかった。それはひとまずおいておく。


まず入場。
サクからで2人タイガーマスクの中身は下柳。身長も体格もそっくりなんだと気付く。
サクの入場曲は大会場ではホント良い気分にさせる。入場曲選びも結構大事です。
その間に秋山入場のセッティングでちびっ子柔道着たちがスタンバイ。多い!多いよ!
で秋山入場with清原。正座の後、みなでリング(サクに?)にお辞儀。試合前に頭を下げるなんてアホか!?とこのときは思った。


2人がリングに立つ。
やはり秋山には乗れない。断然桜庭寄りである。


ここでまずひとつの違和感。
桜庭のコールは"UFCジャパン王者"とか言ってる。
PRIDEのことは触れられないの?くだらないわ。


次の違和感は多くの指摘がある柔道着を脱ぐタイミング。
この時はいくら相手を撹乱する作戦でもこれは失礼で、武道として柔道をとらえたときにはありえない行為だと思った。
入場時に最敬礼して"礼"を尽しているのに・・・その矛盾を理解できなかった。
道家にとっての胴着ってただの着衣ではないはずなのに・・・こういうところで秋山に乗れないのです。正直ムカツクわ。


試合に関して会場で見た感じでは「サク、タックルとれないなぁ・・・」という感じ。
で、ローブロー
清原の不快感丸出しのアップがモニターに。どよめく。へんな空気だ。
細かい攻防はわからんが、しばらくして秋山ラッシュ。ひたすら殴る。
レフェリーがなにもしてないのに突然ゴングがなった。なんのこっちゃ?
サク、なにやら抗議。とめるの早いと言ってるのかと思った。
しばらく時間があってようやく「レフェリーストップ」のアナウンス。「止めてねぇだろ!」とマジ切れで絶叫した俺。
隣のおねぇちゃん2人組(ちょいかわいい)はそれまで黙っていたオッサンが突然ぶち切れたことに「ビクン!」と小魚のような反応。すまんなねぇちゃん。
いまさら気付いても遅いがこのとき、桜庭は騙された!と思ったのである。利用されたと。
K-1は秋山を売り出したいようだ。
しかし、こういうことをやってしまうと脆い。虚構の中のHERO。前田はどう思うのか。
真のHEROを作るには、かつて、前田がやったように、本当に強いやつをぶつけて、それを乗り越えて自分の血や肉にしたときこそ、リアルな輝きを放つことができるのではないか?


勝利のマイクはいつもの「柔道サイコー!」ではなかった。
入場時に柔道を煽っておいてこれか。
感謝は子供達と清原に。意味がわからん。


やはり俺は秋山には乗れないし、K-1には乗れない・・・
それを確認した大晦日であった。


PRIDEも興行会社が渾沌としており、「昨年の大晦日がピーク」と誰かが言っていたけど、本当にそうなりかねないと危惧するのである。
観客は常に「本物のエンターテイメント」を求めている。
裏の事情なんてしったこっちゃない。
面白くて純粋に感動できれば、みんなついていくのだ。


とにかく後味も悪い年末となった。