milo23の『何でも食うよ。』

2020.5.25から再開。独白を綴っていこうかなとか思ったので。

巨人軍に葬られた男たち (織田淳太郎著・新潮文庫)

何食わぬ顔で帰社(なんて派遣社員なんだw)。再び読書に没頭する。
昨日、落合監督の本を読み終えた後、なんとなく手に取った本がこれ。
例によって長いです。
要点は2つ。

  • 巨人の体質批判
  • うつの話

気になる人は・・・
内容は、V9時代の巨人にドラフト1位で入団した青年の苦悩とその結末を描いたノンフィクションを中心に、巨人軍という組織を志半ばで去らねばならなくなった人物たちを紹介している。
この本を読み終えて、真っ先に思ったことは

この球団は、昔も今も、なんにも変わっていない。

ということだ。
数多くの失敗や過ちを繰り返していながら、そこから、何も学ぼうとしていない。
ハッキリいうと「白痴」である。
帝国主義となんら変わりない会社の精神構造は、その考え方の根源であるトップを失わなければ変わることはないだろう。
志は高いほうがいい。
が、現実に目を向けることも大切である。
腐りきってしまった組織は一旦、完全にぶち壊してしまわなければ、変わることはできないのだろうか。
にごった水にいくら水道水を注いでも、その水は純度100%の水にはならない。
これはどこでも誰にも言えることなんだ。もちろん自分にも。
とにかく、巨人軍は自らの奢りによって、その価値を下落させていることに30年以上たっても気づけない球団だということがよーくわかった。


それともう一つ。


前述したドラフト1位の選手について。
彼はこの世にもういない。
真面目な正確から周囲の期待に応えようと監督・コーチの言われるまま、練習した。
そこまでは当然だろう。プロなんだから。
ただ、彼には息抜きの時間が与えられなかった。
他の選手と違うところはプライベートであるはずの時間に監督下の元、座禅を組まされたんだそうだ。
極度の緊張状態の連続。
その結果、精神疾患うつ病)になってしまった。
そこから、球団はマスコミ対策を開始。彼を隔離した。球団の体裁のために。
病状が好転したと聞くと、練習に参加させた。これも球団の体裁のためだ。
その結果、壊れた。
再入院。
解放に向かっていると思われた最中、急死してしまった。
自殺ではないとのこと。
医療ミスが指摘されたが、司法解剖を遺族が拒否したために、真相はわからなかった。
ここでの球団の対応にも憤りを覚えた。
当時の川上監督のコメントには人間性を疑った。
参照HP
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%AF%E5%8F%A3%E6%95%8F%E5%BD%A6
それとは別に、精神疾患でも人は死んでしまうということに驚かされた。


人間は・・・デリケートだ。


彼が精神を蝕んでしまった要因は結局、推測の域をでない。
しかし、一般論として、この書籍に書かれていた「うつ」になるタイプは以下のような人なんだそうだ。

  • 責任感が強い
  • 仕事熱心
  • 凝り性
  • 正直
  • 几帳面
  • 真面目
  • 物事に徹底的にこだわる。

こうした性格を持った人がうつを発症した場合、一度生じた感情が時間がたっても消えることがなく、持続し、執着するそうです。


ちょっと、該当することもあるので、気をつけないといけないなと思いました。


ちなみに著者もうつでの入院歴があるんだそうです。(ちなみに私は通院歴あります)
精神疾患に関しては、まだまだ、世の中の理解が得られないところではあります。
しかし、著者も言っていましたが、身近な人間が、その性質を理解することで、不幸なできごとは避けられるのではないかと思います。
少なくとも、疎み、さげすむより、はるかにいいだろう。


天下の巨人軍に限らず、大きな組織においては、まだまだこういったことが多いと思うけど、個人として、こうした事実はしっかりと認識していきたいと思います。(評価できないです。。。)